ECMS LTD.

エアコンの電気料金削減 その2
(電気料金が高額になる理由)

電気料金を削減するために注目するポイント

前回は、あなたの施設の電気料金は普通より高額なのかどうかを判断するために、まず確認が必要なポイントを整理しました。
その際、電気料金の計算を単純化すると以下のようになると記載しました。
電気料金 = ① 定格電力 × ② 負荷率 × ③ 利用時間・日数 × ④ kWhの電気料金
①は設備を選定する際には重要ですが、実際にエアコンを利用し始めた後は変わりません。
④は契約する電気会社やプランによって変わってきますが、タイでは住んでいるエリアによってあまり多くの選択肢があるわけではないのが実情でしょう。
つまり、既にエアコンが設置されて既に運用されている環境下では、
電気料金を下げるためにできることは、②負荷率を低くするか、③利用時間・日数を短くするのが主な手段となります。
※エアコンがどのような構造で部屋の温度を調節しているのかについては、様々なWEBサイトがあるのでそちらを参考にしてください。

負荷率とは何か?

エアコンは部屋を冷却するために冷媒をパイプ内で循環させて室内の熱を室外に出しています。
冷媒を循環させるための動力としてはコンプレッサーが利用されています。 人体に例えると、冷媒は血液であり、パイプは血管です。そしてその血液を巡らせるための心臓がコンプレッサーです。
エアコンの消費電力の8割以上はコンプレッサーであり、冷たい風を出すためにどの位の時間コンプレッサーが稼働しているかどうかが負荷率となります。 負荷率が高くなればなるほど、コンプレッサーの稼働時間が長いため、電気料金が高くなります。
具体的に見てみましょう。
下図はエアコンの温度を24℃に設定した際のグラフで、1分単位でエアコンの吸込口の温度(黄)、吹出口の温度(青)、コンプレッサーの稼働時間(赤)を60分間記録したものです。
エアコン-ecms
エアコンは部屋の空気を吸込口から吸い取り、エアコン内で冷たい空気に変えて部屋に吹出します。
24℃設定にしており、黄色の線がおおよそ24℃で推移していることから、室内を目的の温度にできている様子が分かります。
一方で、24℃を維持するためには、それよりも冷たい空気を出す必要があるため、吹出口付近の温度は10℃-16℃となっています。
そしてその冷たい空気を出すためにコンプレッサーが動いている時間帯が赤色で表されており、稼働停止を繰り返し60分のうち、46分間稼働していることが分かります。 これが負荷率です。
常時100%で稼働しているとエアコンは過負荷の状況なので、壊れる可能性も高くなります。
逆に20%とかだと、エアコンのスペックが高く、余裕がある反面、当然機器も高額なので、目的に対して高額な初期投資をしているという見方になる場合もあります。
投資をできるだけ抑えながら、それぞれのエアコンの負荷率が70-80%前後程度で運用されていると、全体的に費用も最適化できている場合が多いです。

温度設定が1℃変わると電気料金はどの位変わるか?

同じ環境条件でエアコンの温度を26℃に設定した場合を見てみましょう。
エアコン-ecms
部屋の温度を下げるためにコンプレッサーを稼働させ、冷たい空気を出す必要がある時間が短くなっているため、赤い部分が減っています。
さらに、28℃設定の場合を見てみると以下のようになります。
エアコン-ecms
かなりコンプレッサーの稼働時間が減り、24℃設定に比較して、コンプレッサーが稼働している時間がかなり減りました。
設定温度を1℃づつ変更した際、コンプレッサーの稼働時間とその変化率をまとめると以下のようになります。
設定温度と稼働時間-ecms
環境にもよりますが、一般的に、設定温度を1℃変更すると、10%以上コンプレッサーが稼働する時間を抑えることができるといわれます。
上記の例では24℃と28℃の設定を比較した際、約60%コンプレッサーの稼働時間が削減できる≒電気料金が削減できる事になります。
冒頭、電気料金を削減するためには負荷率を下げることが重要ですと記載しました。
負荷率 ≒ エアコンコンプレッサー稼働時間 ≒ 消費電力量 ≒ 電気料金
この考え方がエアコンを目的の温度まで冷やすという機能を満たしながら、電気料金を最小化する際にとても重要な考え方となります。

まとめ

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